レヴェリアン・ルラングァ, 山田 美明
ルワンダ大虐殺 ~世界で一番悲しい光景を見た青年の手記~

ルワンダのこと、日本財団前会長の曽野綾子さんも何度か書いてました。

でもちゃんと読んだことも調べてみたこともなかったです。


ルワンダ大虐殺は大雑把に言うと(て言うか帯の文章を丸写しすると)、


「100日間で100万人が殺された二十世紀最後のジェノサイド。」


背表紙側の帯はさらに詳しく、


「ツチ族とフツ族という、2つの部族の根深い対立を抱えたルワンダ。

表面的には平静さを装っていたが、ある日を境に事態が急変する。

フツ族出身の大統領が、何者かによって暗殺されたのだ。

ラジオではさかんにメッセージが繰り返された。

「暗殺はツチ族の仕業だ!

ゴキブリどもを叩き潰せ!」

この事件をきっかけに、フツ族によるツチ族の虐殺が始まった。

それまで仲良く暮らしていた近隣の住人たちが、レヴェリアン(著者)の家族に襲いかかる。

そして、この世のものとは思えぬ惨劇が、目の前で繰り広げられていくのであった。」


親族の結婚式にも出るような仲良しの近隣住民がある日、男も女も老人も子どもまでもが斧をもって襲ってきたら?

キリングフィールドが描いたカンボジアも悲惨な話ですけど、このルワンダも恐ろしく過酷です。


ラジオでは子どもが「8歳なんですけど、もう殺してもいいんですか?」ともしもし電話相談。

「うーんかわいらしい質問だね。何歳からでも殺していいんだよ」と答えるパーソナリティー。


ある日の虐殺の翌日、今度は女性キャスターがねぎらいの言葉。

「きのうはお疲れ様。みなさんの働き(殺戮行為)、目をみはりました」的な…。


こんなことがあるなんて想像もつきませんでした。

こんな人がいるなんて、なぜ???の嵐です。

民族間における憎悪ってコレほどまでにすさまじいものなの?

「人間には残虐性がある。人は人を殺す。」

…だけでは到底説明がつきません。


行きがかり上、一気に読了しましたが、これは大変疲労しました。

疲労困憊です。


今年の漢字は「命」。

いじめ反対キャンペーンもさかんな今日この頃。

それにしても「ルワンダ」はあまりにも重いテーマでした。